新卒の就活において最大の難所である面接を乗り越えるには、逆質問を準備しておきましょう。
この記事では逆質問の作り方を解説し、参考になるよう具体例を掲載しました。
逆質問は、コミュニケーション能力に自信がない学生でも比較的自己PRしやすいので、ぜひ活用してくださいね。
目次
新卒就活での逆質問とは
逆質問とは、就職試験を受ける会社の社員に対して求職者(学生)が行う質問の事で、よく面接の終わりに「最後に何か質問はありますか?」と聞かれるアレです。
普通は気になる事があれば自分で質問するものですが、「気になる事ある?」と逆に質問されるため、逆質問と呼ばれています。
各種面接(リクルーター面接、グループ面接、一次面接、二次面接、役員面接等)で逆質問されることがあるので、しっかり予習していただければ幸いです。
逆質問のメリットはアピール
多くの学生は「質問しなくてもいいのならすぐにでも面接を終えて帰りたい」と思うはずですが、逆質問をうまく利用すれば面接官の評価はぐっと上がります。管理人の就活でも効果的にアピールできたと思います。”逆質問タイム”もまだ選考のうちなのです。
また、質問事項を事前に整理しておけば、面接本番で心に余裕ができるのも大きなメリットです。
以下、逆質問の作り方などを解説します。
逆質問の作り方と具体例
逆質問のコツをポイント別に良い例・悪い例をあげて解説します。
逆質問作成のコツは、質問ついでにあなたの事をアピールできるものを作成することです。
なお、以下の逆質問は面接時を想定しています。フランクな座談会やOB訪問なら多少適当な質問をしても許容されると思いますのでご留意ください。
企業研究・業界研究しているアピール
具体的な逆質問をすることで、その会社や業界についてしっかり研究している事を面接官に伝える事ができます。裏を返せば、調べれば分かるような逆質問は、企業研究・業界研究をしっかりしていない事がバレてしまい、逆にマイナス評価につながる可能性があります。
また、細かければ何でも良いという訳ではなく、「そんな事知ってどうすんだよ」と思われないものが良いですね。
※あえて専門外の分野を例にしていますので、浅い部分がありますがご容赦ください。そのまま使い回すのではなく、逆質問リストを作成する際の参考にしていただければと思います。
良い例
(製薬会社の営業MR志望のケース)
御社は◯◯という薬は業界△位のシェアを持っていらっしゃいますが、不景気の影響もありここ数年後発医薬品であるジェネリック医薬品が台頭してきています。先発薬である御社の製品のシェアを維持するためには、MR(営業)の役割がさらに増して行くと思いますが、例えば研修制度などバックアップはどういったものがありますでしょうか。
⇒業界の動向だけでなく、その会社の志望職(営業)の課題を正しく認識していること、業務への高いモチベーションをアピールできています。
NG例
御社はここ数年支店数を拡大し続けていますが、次は何県に支店を出す予定ですか?
⇒何県に支店を出すか聞いてどうするの?と言いたくなりますし、そもそも人事の人間が知っていることではないですよね(調べて回答する価値がある質問でもない)。ただし、例えば今後の営業戦略の展開に絡めるのなら良い例にもなるでしょう。
社畜になりますアピール
企業は、社員に対して自社の方針どおりに動く事を期待します。極端な言い方をすれば文句を言わず従う社畜が欲しいのです。また、学生はまだ社会の厳しさを知らず、気楽に考えがちなので、甘い考えの学生は要らないのです。
志望企業が社畜を養成するブラック企業かどうかは問題ではなく、企業とは本質的にはそういうものと理解していることが重要なのです。
良い例
(転勤が多いメガバンクの営業職志望のケース)
御行の◯◯職(志望職・コース名)は約3年ごとに転居を伴う転勤がありますが、OB訪問をさせていただいた△△支店の××様のように色んな地域で働くことで優秀な行員になリたいと思っております。大まかな数字で結構なのですが、何支店ほど担当として配属させていただけるのでしょうか。
⇒人生設計を立てづらかったり、労力が必要なのでほとんどの人間が嫌がる転勤に自ら積極的な姿勢を示す事で「扱いやすい人材である」と同時に「やる気」を面接官にアピールできています。
NG例
御行の◯◯職には転勤があると聞いていますが、希望どおりの支店に配属されますか?
⇒行員に希望を聞く制度があったとしても、就職前からそんなことを気にしているようではやる気を疑われてしまいます。それに、希望しなかった支店に転勤が決まったら退職されるリスクもちらつきます。あまり良い逆質問にはならないでしょう。
御社は部署によって残業時間が異なると伺いましたが、どの部署が残業時間が少ないですか?
⇒こちらも同様に入社前から「楽な仕事」を狙っていることが容易に伝わります。本音はそうでも構いませんが、アピールどころかマイナスポイントになるだけなので、あえて言わなくていいでしょう。どうしても知りたければOB訪問や知り合いなど、近い距離の社員に聞きましょう(ただしリク面は評価につながる事が多いので注意が必要)。
自己PRと志望企業・職種が相性抜群であるアピール
あなたの自己PRを伝えるだけでなく、志望職種との相性をうまく伝える事ができれば人事部はあなたを採用しやすくなります。「採用したら上手くやってくれそうだな」と面接官に思わせる事ができれば勝ちです。
良い例
(自己PRが営業スキルで、営業職を志望するケース)
学生時代のアルバイトで販売の仕事でどうすれば売り上げが伸びるかを考え、実践していましたが、◯◯すると売れやすいという発見をしました。僭越ではありますが、御社の商品についてもその考え方活かせるのではないかと思い、私なりに具体的な販売方法を検討してみましたので、△△さん(面接官)のご視点でご意見をいただけますでしょうか(簡単な資料でもあると印象にも残りやすい)。
⇒自己PRの営業スキルと、それを志望職種でどう活かすのかをしっかり伝えられています。時間と労力を裂いて資料を準備してきた点も、やる気と志望度の高さを感じます。また、アルバイトながらも惰性ではなく課題を持って真剣に取り組み、成果を出しているところから真面目さを感じることができ、自社でもそれを発揮してくれる予感を持たせてくれます。
NG例
御社にはどんな人間が向いていますか。
⇒選考前のセミナーならまだしも、採用試験である面接の段階でこんなことを聞いてしますと就活生としての素質を疑われかねません。また、部署や職種によって望ましい人物像は異なるはずですが、非常に漠然としていて回答しづらいです。right people,right questions、つまり、然るべき人に然るべき質問を意識しましょう。
その他よくあるダメな例
夢はありますか?
⇒仕事や企業の事ではなく、面接官のプライベートの範疇ですので、そういった質問は避けるべきでしょう。場合によっては失礼に当たります。
有給は希望どおり取れますか?
⇒本来誰でも気になる点ですが、「休み>仕事」というやる気のなさにつながる可能性があるので控えましょう。
御社の強みは何ですか?
⇒面接前に自分で研究すべき点です。他にも、採用HPやパンフレット、セミナー資料などに書いてあるレベルの事は聞かない方が良いです。それらでは分からない事を質問してアピールしましょう。
また、何か教えをこう際には、「◯◯について教えてください」よりも「◯◯について××だと思うのですが、どのようにお考えですか」というように、自分でも調べてみた事を併せて伝えた方が間違いなく好印象です
就活のアドバイスをください
⇒面接官はボランティアではなく仕事で面接しています。仮に親切心でアドバイスをくれたとしても、評価にはつながりませんし、マイナス評価の可能性も十分あるでしょう。アドバイスをもらうならセミナーやOB訪問で若手社員を捕まえるのが吉です。
逆質問がない(思いつかない)理由
逆質問なんて何もない、何を質問すればいいかわからないという方も多い事でしょう。
実は、「志望職種・企業・業界の知識」と「ほんの少しの興味」があれば、自然と聞きたい事は出てきます。つまり、逆質問がないという事は、そのどちらかが欠けています。
まずは、インターネットや書籍、社員などから情報をインプットする事をおすすめします。
そのうち自然と出てきますので、あまり難しく考えなくても大丈夫です。
逆質問は何個準備すれば良い?
面接で逆質問できる時間はせいぜい5分〜10分程ですので、3〜5個ストックがあれば十分でしょう。
ただし、なんとしても納得できる内定が欲しかった管理人は、第1志望群の企業はそれぞれ30個程用意していました(重複するものもあります)。思いついたものはとりあえずルーズリーフ(おすすめはこちら)のリストに書き出し、重要なものには印をつけていました。
逆質問リストの管理方法は?
企業ごとに逆質問を書き出すとそれなりの数になります。
おすすめの管理方法は、就活用のノートに、企業ごとの逆質問リストを作成して持ち歩くといいでしょう。
スマホやタブレットで管理しても良いですが、面接などの際に確認したり書き込むにはノート・ルーズリーフの方が適しています。
管理人は逆質問を求められたとき、面接官にことわったうえでこのノートを参照していました(「沢山あるのでリストアップしてきました。緊張しているので確認してもよろしいでしょうか」などと許しをもらえば、アピールにもなって一石二鳥です)。
以上が逆質問の作り方と具体例でした。
逆質問を準備できていれば面接の受け答えにも余裕がでるので、ぜひ取り組んでみてくださいね。